小・中学生指導目標

1・決められた時間内に書き上げる

 学校で書写の授業があると思いますが、どの学校でもだいたい一コマ40~50分です。二コマで授業が組まれている場合もありますが、一コマで作品を書き上げられるように、当教室では書く時間を50分にしています。「このぐらいの時間でだいたいこれぐらい書ける」という感覚を覚え、学校で実践して頂きたいと思っています。次に、時間内に作品を書き上げるために大切なのは、“集中力”です。お手本を見て書き写すということは、思っている以上に集中して書いているのです。しかし「座っているだけで疲れた」では、本来の力が発揮できません。まずは、「筆を正しく持ち、姿勢を正しく座る」ことに慣れて頂きたいと思います。姿勢を正しく座る練習はご家庭でもできますので、食事をする時などお子様の姿勢に意識して頂きたいと思います。

2・筆順(書き順)を正しく指導します

 美しい文字は筆順が正しいことから始まります。一度間違って覚えてしまうと直すのに時間がかかります。まずは、筆順を正しく覚えることを大切にしています。

3・個に合わせた指導

 書道は習ったからといって急にうまく書けるようになるわけではありません。お稽古に来るたびにポイントを一つ一つ覚え、それをたくさん書く。そして、体(感覚)で覚えることも大切です。学校では生徒数が多いので先生が黒板の前に立ち、全体に向かって言葉で教えてくれると思います。ですが、先生の説明を聞いてすぐにできる生徒とそうでない生徒がいます。その時に、もう一度言葉で教えるのか、それとも書いて見せるのか、一緒に筆を持って力加減を教えるのか、指導の方法は子供により変わります。自分で感覚が掴めそうな子供もいれば、迷路にはまったような子供もいます。当教室は少人数制ですので、個に合わせた指導を行います。

教室の方針

最初は足し算

 習い始めたばかりの子供が、半紙からはみ出して字を書くことがあります。反対に、半紙の中に小さく書く子供もいます。どちらも間違いではありません。半紙からはみ出した子は、元気よく書いたのですし、半紙に小さく書いた子供は、はみ出さないように気をつけて書いたのです。しかし、習うことによって、半紙にちょうど良い大きさで書く事も出来るようになるのです。お手本のように書けないから下手だと思わずに、今の自分に出来る事を少しずつ足していって欲しいと思います。私は、生徒の皆さんが少しでも多く足すことが増えるように、どのような指導が必要かを考え、導いていきたいと思っています。

字の決まりを知る 

 字には個性があり、その字を見れば誰が書いたのかが分かります。だから手書きは尊いのです。ですが、見やすい字、読みやすい字というのには決まりがあります。何も知らずにお手本を臨書するのと、決まりを知り、そこに近付けるように臨書をするのでは同じ時間を使っていても上達の度合いが違います。まずは決まりを知る。次にお手本とどこが違うのかに気付く。そして、修正練習をする。この繰り返しが大切です。そうすると全体のバランスや空間の使い方にも目を向ける余裕がうまれ、更なるステップアップへつながります。上達に近道はありませんが、正しい方向へ向かって練習を重ねれば、遠回りをすることもありません。学ぶべき内容を成長段階に合わせて選択し、わかりやすく丁寧な指導を心がけております。

大人の方への指導について

学びたい内容を明確にする

大人の方が書道を習う時、習う目的を明確にする必要があります。例えば、
 ①各種公募展などに出品するために学ぶ。
 ②仕事や生活の場面で使うために学ぶ。
①と②は基本は同じですが、書く内容が異なります。①は作品を制作するのに対し、②は芳名帳やご祝儀袋など、書く場面や書く字がはっきりとしています。その場合、よく使う字を先に練習する方がすぐに使えるようになり、習った成果が見えやすくなります。また、場面場面で形が整うようになると、そこから他に波及し全体的に文字が整ってきます。大人の方は個々の目的に合わせて学ぶ内容も合わせていく事を勧めています。

自宅練習をする

「学びたい、上手くなりたい」という意欲を持って習いに来て下さる方に、少しでも多く身に付けて欲しいと思い、希望する方には自宅練習用のプリントをお渡ししています。仕事や家事の合間にボールペンでなぞるだけでも効果は違います。自宅練習は、頻繁に通うことができない方でも自分のペースで続けられる良さがありますし、数を書いていくと「何で線が曲がるのか、どこで力を抜いてはらうのか」などの疑問が出てきます。その疑問を持つことで、講師の説明をより明確に吸収する事ができます。上達の近道は「意識して」数を書く事が大切です。

お手本について

お手本は手書きをします

学校で渡されるプリントや教材などの一部を除き、お手本は一人一人手書きをしています。

教室風景

教室風景(6畳部屋)